「すいません。その子に触れないでくれませんか?」


あ…葵…!!


言葉遣いは丁寧だが、かなり迫力がある。


葵は私の手を握っていた男の手を振り払った。


「え?あ、あなたは.....。」


「い、行くぞ!」


5人の男は逃げていった。




「葵....。ありがとう。」


すると葵は私を抱きしめてくれた。


「大丈夫か?」


葵の優しい言葉に涙が溢れてきた。


「ったく。ちょっと目を離した隙にナンパされてんだから…。」


「ナンパ....?」


「分かっていないのか。まぁいいや。ほらユリ、買ってきたぞリンゴあめ。」


「ありがとう!」


葵から受け取った。


葵が買ってきてくれたリンゴあめは甘くて美味しかった。




その時。


ードーン


あっ!


今年初の花火だ!


「キレイだな....。学園でもやってもらうか?」


「そこまでできるの?」


「ローゼ様に頼めばな。」


今年初の花火大会はとてもいい一夜になった。