夏休みに入った。


期間は7月半ばから8月末まで。


普通かな?


この学園の人はだいたい実家に帰るかこの学園に留まるか。


私は一応家に帰ることにした。




「お母さん?ただいま!」


久しぶりに見た家は数ヶ月前とあまり変わらないけど.....。


「あらお帰りなさい。」


「お母さん....。なんか敷地広くなってない?」


家の玄関までの道はリムジンでの移動だけど、いつもより長かった。


「当たり!少しだけ広くした。」


「これ以上広げてどうするの....。」


いつもだがお母さんの考えてることはイマイチ分からない。


「まあまあ。」


屋敷の中はたいして変わってない。


「桜井?ケーキを作ってもらったから出してあげて。」


「畏まりました。」


「じゃあユリ、食堂に行きなさい。」


「分かった。」


家族ってやっぱり安心する。


私は兄弟はいないからお母さんだけだけど。





「あらお帰りなさい。」


食堂に行ったらローゼ様が座っていた。


「いらっしゃい。ローゼ様。」


「学園の外ではローゼだったわ...。久々に外に出たから慣れなかった。」


控えめに微笑む。


今はお昼どき。


この屋敷にいる女3人でランチタイムをとった。




「やっぱいいわね....。」


ふとローゼ様が寂しそうな表情を覗かせた。


「ローゼ様....?」


「え...?どうしたの?」


「いえ、なんでもないです。」


聞くに聞けない。


少し気まずくなってしまったけど、すぐに傍らの執事達が何とかしてくれた。