卒業式が終わり、終業式も終わり....。


あと1週間で新年度が始まるという時....。


私は実家へは帰らず、学園内に残っていた。


葵も同様で毎日会うことができている。


関係はなかなか良好で……ただ恥ずかしくなって顔が見られないけど。




今は気分転換で一人花見をしていた。


前に夏菜と来た時よりもさらに綺麗に咲き誇っていた。


「1年いろいろあったな....。」


あの事件以来ほとんど真理亜を見ることはなく....。


穏やかに時が過ぎていった。






-....


ん?


何か音が近づいてくる....。


車?


「ユリ様!」


突如現れたのは黒いリムジン。


夏休みに実家へ帰った時に乗ったあのリムジンだった。


「この車って....。」


「そうです。沙那奥様のお車ですよ。」


そう言って運転席を降りたのは雷也さん。


「重要なお話があるそうです。実家へ戻りますので急いで乗ってください。」


「分かりました。」


どうしたんだろう?


そもそもなんで私がここに居ることがわかったんだろう?


誰にも居場所を言ってないのに....。