「いいの?」


「え?」


「祐樹はイヤじゃないの?」

修羅場になるわよ?


「正直、あまり気は進まないけど、言い出したら聞かない人なんで……」


「そう……、分かったわ」


もう、どうなっても知らないんだから。


気は重いけど、噂の“美女”がどんな子か、この目で見てみたい、という好奇心が湧いてきた。


祐樹に似合いの、性格のよい子ならいいのだけど……



「ここです」


そうこうしている内に、そのレストランに着いたらしい。


祐樹が木のドアを開け、カランコロンと軽やかな音が鳴り、私は緊張しながら祐樹に付いて、中へと入って行った。