「これから行く所は、俺がガキの頃から行ってる小さなレストランなんですが、マスターが作る料理がすごく美味しくて、前から志穂さんを連れて来たいなって思ってたんです」


「そうなんだ……」


「それと、そこで会ってほしい人がいるんです」


「え? それって、もしかして、女の子?」


「はい、まあ、一応……」


“彼女”だ。そうに違いない。
まさかのご対面?


「どうして?」


「え? それはその……、志穂さんの事がばれちゃって、そしたら“会わせろ”って、きかないもんですから……」