翌朝。私と祐樹は駅への道を、肩を並べて歩いている。


こうして祐樹と歩くのも、これが最後なんだなあ。


そう思うと、悲しくて涙が出そうだった。


「今日も朝から暑いっすね?」


「そうね」


「志穂さん、今朝も元気ないですね?」


「そう?」


「夕べの……激し過ぎましたか?」


「え? ……バカ」


「すみません。あ、そうだ、忘れてた」


祐樹がそう呟き、私は思わず彼を見上げた。声のトーンが少し下がった気がして……


「今夜、仕事の後に行きたい所があるんですけど、いいですか?」


「私も行くの?」


「はい、もちろん」


「いいわよ」


「じゃあ、お願いします」


と言っあと、祐樹はハアーと溜め息をついた。


今夜、私は祐樹に別れを告げるつもり。


それを思い、私も溜め息をついていた。