「何ブルーだっけ?」


「なんだあ。それはですね、えっと……何だっけ。確かレースに関係したような……、エフワンブルー、じゃないしなあ」


「それが気になって、死に切れなかったのかも」


「や、ほんとですか? じゃあ、意地でも思い出しませんよ、ルマンブルーなんて」


「あ、それそれ」


「しまった……。志穂さん、死なないでくださいよ?」


「うふふ、大丈夫よ」


俺は志穂さんをフワッと抱き上げた。

心なしか、前より軽く感じた。


「志穂さん、痩せましたか?」

「少しね」

「病院へ行きましょうね」

「うん。あのね、眠っちゃうかもしれないから、祐樹にお願いしたいんだけど……」

「何ですか? 何でも言ってください」

「お医者さんに言ってほしいの。“この人、妊娠してます”って」

「そう言えばいいんですね? 分かりました。この人、妊娠……って、えーっ!!」


−−−−−−−−−−−

志穂が蘇生したのは出来過ぎかもしれませんが、愛が奇跡を起こしたという事で……

阿部のその後ですが、踏切で電車に飛び込んだらしいです。



当初はここで完結としましたが、その後エピローグ(19P)追加しました。

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秋風月