「えっ?」


突然言い当てられ、否定の言葉が出て来なかった。


「やっぱりそうなんだ……」


「ち、違うよ。妊娠なんか、してない」


と言ったものの、アリサに真剣な目で見られ、最後の方は声が尻つぼみに小さくなり、否定の意味をなさなかった。


「祐樹はまだ知らないのよね? どうして言わないの?」


「だって、妊娠で彼をつなぎ止めるような事は、したくないから……」


「そっかあ。志穂ちゃんの気持ち、あたしにも分かるよ」


「ありがとう。じゃあ、祐樹に言わないでくれる?」


「うん、分かった。でも、諦めないで?」


「え?」 何を?