車は祐樹が住む街へ差し掛かり、あのレストランを通り過ぎた。


もうすぐ祐樹の実家に着き、ご両親に会うんだわ……


そう思ったら、緊張で手の平から汗が出て来た。


そして、鉄格子の立派な門の手前で停まると、祐樹はダッシュボードに置いてあるリモコンを手に取り、操作すると、鉄格子が向こう側へ開いた。


つまり、電動式の門。映画以外で見たのは初めてだ。


門を通っても、まだ道は続いていた。


ここは敷地の中だから、庭?

庭と呼ぶにはあまりに広い、公園のような中を車はゆっくりと進み、大きな屋敷の前で停まった。


そう、それは“家”というより、正に“屋敷”だった。