愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜

シートベルトをして、祐樹がキーを回すと、低いエンジン音と共に、僅かな振動が体に伝わった。


「あまり飛ばしませんから、安心してください」


「う、うん」


“あまり”なの?


「出発ー!」と祐樹は言い、車は静かに走り出した。


「これ、俺の就職祝いにおやじさんが買ってくれたんです」


「そうなんだ……。高そうね?」


「車の値段ですか?」


「うん」


「そうですね……、ざっと俺の年収の2倍かなあ」


「うわっ、そんなに!?」


やっぱり祐樹の家って、相当なお金持ちなんだなあ。


「おやじさん達に会った後、どこかへドライブしませんか?」


「いいわよ」


「ヤッター。楽しみだなあ」


「そうね」


祐樹はドライブが楽しみって感じだけど、私は正直なところ、その前のご両親との対面の方が気掛かりだった。


祐樹のご両親は、私を見てどんな反応をされるのだろう。私を、受け入れてくださるだろうか……