愛なんかいらない 〜キュート過ぎる部下〜

定時を一時間ほど過ぎた頃。私は今する必要はない社員名簿のメンテなどをして時間を潰していた。


祐樹をはじめ、殆どの社員は退社し、最後の課長が「お先にね」と言って退社して行くと、オフィスは私一人になった。


すると、それを待っていたのだろう。パーティションの向こうから、阿部が姿を現した。


ゴルフ好きで一年中日焼けしていて、40そこそこで部長に昇格した阿部は、客観的に見ればイケメンだと思う。


ニヤニヤ薄ら笑いを浮かべながら近付いて来ると、今吹き掛けたに違いない男性用オーデコロンの臭いが鼻に付く。


そういえば、祐樹からは殆ど臭いがせず、精々がシャンプーやボディーソープ、あるいはガムを噛んだ時のミントの爽やかな香りがするぐらいだ。