「恋人!? そんなわけないでしょ?」


「どうして?」


「それは……私は君より8つも上だし……」


「それから?」


「あまり言いたくないけど、私はいろいろ経験し過ぎたというか……」


「俺は気にしませんよ? 年の差も、主任の過去も」


「ありがとう。そう言ってもらうと嬉しいけど、気持ちだけ受け取っておくわ」


「主任……」


と言いながら、神林君が私の手に手を伸ばしかけたところで、オーブンからピピピッと音がして、私は神林君からパッと離れた。