割り切りの恋人たち【前編】

 相変わらず明るい性格しているな弘美は、と俺は思っていた。
 俺は弘美が持ってきた、黒いバッグの中に、ふたりの諭吉の入っ茶封筒を入れておいた。
 弘美が浴室に立てこもってから、かれこれ15分が立つ。
 「風呂、なげぇーな……」
 そんなことをつぶやいていると、弘美が浴室から出てきた。そして手際よくバスローブを身にまとう。