【ののside】
「君、可愛いね」
私こと、久保川ののはただ今大ピンチです!
「どこの高校?」
もしかしたら、人生で最大のピンチかもしれません!
初めてなので、何をどうすればいいのかわかりません。
「あの…えと…」
「おい!」
突然、私の後ろから声が聞こえてビクッとした私。
それと同時に、飛んでいく男の人。
私はただ、呆然としていた…
理由はそのまんまで、すらっとしたスタイルの男の人で年頃は私と同じくらい…
そんな人が、男の人を拳ひとつでぶっ飛ばすなんて…
でも、私は他のことに感動していた。
「人が飛ぶところ、初めて見たかも」


【龍side】
「人が飛ぶところ、初めて見たかも」
俺が、助けた女は変なことを呟いていた。
人が飛ぶところなんて、普通に見るだろ。
いや、待て。
まさか、俺がおかしいのか?
そんなことを、考えていたら女がこっちへ向かって来た。
「何?」
俺が、そっけなく返事をすると女はお礼をいいに来た。
「助けていただいて、ありがとうございます」

これが、俺とののとの出会いだった。