【完】そばにいるだけで




愛莉は自分のメイク道具を持ち出して、わたしにメイクしようとするので、



「ちょ、ちょっと待って。あんたみたいに濃いのは嫌だからね。ナチュラルにしてよ」



と言うと、



「悪かったね、濃くて」



とぶつぶつ言いながらも、ナチュラルに仕上げてくれた。



姿見に映るわたしの姿を、二人で見つめる。



そこにいる高校生は、さっきまでいた地味な高校生ではなかった。