あの日、桐生くんと城山さんのツーショットを目の当たりにさせられて、わたしは悶々とした日々を送っていた。 だけど、何をどうしたらいいのかがわからなかったし、何かを実行に移す勇気もなかった。 わたしは風に当たりたくて、屋上にいた。 秋の穏やかな陽射しが心地いい。 空はこんなに高くて青いのに、わたしの心は澱(よど)むばかり。 思わずため息が漏れた。