「桐生くんと三郷さん、塾が同じだったんだね。三郷さんから聞いたよ」



わたしがそう言うと、桐生くんは無線室にこっそり持ち込んだ観葉植物に水をやりながら、うなずいた。



「教えてくれれば、よかったのに」



桐生くんはポトスの葉を眺めながら、



「別に、言うほどのことでもないかなって思ってたから」



と言った。



桐生くんからすれば、そうかもしれないけれど。



わたしは、いろんなことが気になっちゃう。



「だって、好きなんだもん、桐生くんのこと。知りたいんだもん、いろんなこと」



うつむきながら話す声は、どんどん小さくなる。