「わたし、あそこで見たこと、誰にも言ってないから」



自分の潔白を証明するべく、真剣なまなざしを三郷さんに向けると。



「そんなに真剣にならなくても大丈夫だって。それに、あたし、あそこでなんにもやましいことなんか、してないし」



三郷さんは、余裕の笑顔を見せた。



「確かにね、あたし、あそこにはよく出没するのよ。だから、カラダ売ってるとか、変な噂が流れちゃうんだろうね」



そう言うと、三郷さんは独り言を呟くように、



「……まあ、でも意図的に噂を流した人もいるんだろうけど」



と付け足した。