同じクラスの、三郷(みさと)さん? すると、わたしの声に気づいたのかどうかわからなかったけれど、三郷さんは一瞬、ちらりとこちらを見たような気がした。 「どうかした?」 「あ、うん。さっき、前を歩いてたの、三郷さんだったような気がしたから」 「三郷さんって、同じクラスの?」 「うん」 うなずきながら、わたしはさっきあったたくさんのいかがわしいお店の看板を思い出し、それ以上説明するのは恥ずかしくて、口をつぐんだ。