わたしが赤面していると、桐生くんは遠くを見つめながら、 「じゃあさ。今度一緒に寄席、行ってくれる?」 ぽつりと言った。 「ヨセ?」 わたしが首を傾げると。 「そう、寄席。僕、落語好きなの」 と言って、にやりとした。