【完】そばにいるだけで




わたしは、昼休みも桐生くんとは過ごさなかった。



いつまでも教室にいるわたしに、異変を感じた瑞希は、



「今日は屋上行かないの?」



と、素朴な疑問を投げかけた。



「う、うん」



「桐生くんと、なんかあったの?」



「……ううん、なんでもない」



わたしが力なく笑うと、



「なんでもないって顔じゃないよ」



と、鋭く突っ込まれた。