ずきっ。 胸が締めつけられた。 先輩の大きな手が、優しい。 温かい。 今までぴんと張りつめていた緊張の糸が、ぷつん、と切れそうになった。 目頭が熱くなる。 わたしは思わずくちびるを噛みしめた。 様子のおかしいわたしに気づいたのか、先輩はわたしの顔をのぞき込み、 「ん?どうした?」 と穏やかに尋ねた。