【短編涼話】 十物語

『思い出したか?』

ザワザワザワ―――――

僕はガチガチと奥歯を鳴らせながらしゃがみこんだ。

『十年前の今日。お前はお前の欲のために何人もの命を奪った。さぞや幸せだっただろう?よもや迷うことはあるまい。人間一人の命の重みなんて、お前には分かるまい。』

握り締めた右手に異物感を感じて悲鳴を上げた。

僕の右手の中で、あの刀がギラリと怪しい光を放っていた。

「な・・・っ!」

『どれがいい?お前はこの中でどれを選ぶ?』

僕は足元に転がった美月・圭・由宇を見つめた。