【短編涼話】 十物語

『そんな低俗なものと一緒にされるとは心外だな・・この黄泉六道ノ神に向かって。まぁいい、今日は寛大な気分だからな。なんなら期限をつけてやるぞ?魂の引渡しを十年待ってやろう。この刀で胸を刺す、ただそれだけだ。』

僕は婆ちゃんを仰ぎ見た。

震える小さな体。

白髪の間から焦点の合わない瞳が見える。

「・・・そんなの無理だ。」

「じゃあ見殺しにするしかないな。」

右手を少し縮めて球体を軋ませる。

「僕に人殺しなんて!」

『人間はいつもやってるじゃないか。自分のために。戦争・迫害・テロ、いじめ。それと何が違う?』

「だから、僕にはっ。」