「あぁ、知ってる。旧校舎の裏庭にあるやつ。」

幼なじみの圭が乗ってきた。

美月の気を引こうと必死だ。

僕は苦笑いしながら隣の椅子に圭を座らせた。

美月の向かい側。

大きな瞳に見つめられ、圭のこめかみが少し汗ばんだ。

「ねぇ、見に行ってみようか?」

「え。」

その声に真っ先に反応を示したのは由宇だ。

美月とは反対のタイプ。

真面目で目立たない、だけど優しいコ。

僕は由宇の顔を真っ直ぐに見つめ、意地悪っぽく言った。

「あれ、由宇?怖い?」