「会津藩で待ってる」


前を向いたままそう言い残し、凜は颯爽と歩いていく。

俺も背を向けると、氷上の家に帰った。














もう、迷わない。


俺は自分を誇りに思って生きていく。



俺に"気持ち"をくれた、凜の傍で。





「父上、母上。俺は、会津藩に行きます」


俺がそう言うと、父上も母上も二つ返事で許してくれた。



翌日、荷物を纏めて会津藩へ向かった。



「待ってたわよ、諒」


会津藩に着くと、凜が出迎えてくれた。

思わず笑みを零して、俺は口を開く。