あかつき




「僕と試合をしましょう」


僕が笑って言うと、彼等は顔を引き攣らせる。

だけど負けじと誘いに応じた。


「一本勝負でいいですね?」

「ええよ」


負ける訳がないと、一人が意気込む。

僕は口角を上げ、試合開始の合図と同時に踏み込んだ。













結果は、僕の圧勝だった。

二人目も開始と同時に終わらせ、まさに秒殺だった。


「な、何なんやお前!?」

「弱虫暁の癖にぃっ!!」


彼等は尻餅を付きながら僕に言う。

僕は敢えて笑顔で、口を開いた。


「意外に弱いんですね。君達」


言葉を失ってぽかんと口を開けて固まる彼等を見て、僕はすっきりした。

見返してやったんだ、奴等を。





僕はまた、桜の木のあるあの……凜のいる場所へ、戻るんだ。


「凜、ただいまです!」

「お帰り」

「……俺は?」