彼が宮部 薫(ミヤベ カオル)。
この頃から既に、薫の扱いは酷かった。
そしてそれからみっちり一月。
僕は家で医学を学びながら、毎日凜の所まで通った。
お陰で剣の腕は凜に認められる程になり、医学もかなり身に付いた。
もう、弱虫なんかじゃない。
「暁」
いつものように、凜の所へ行った。
昨日で一月が経ったのは知っていたが、何となく来たのだ。
なのに凜は待っていてくれた。
「暁、今日はあいつ等を見返しに行くのよ」
「あいつ等……」
直ぐに僕を虐めていた二人が思い浮かぶ。
僕は凜に笑顔を見せると、来た道を引き返した。
『ここで待ってるから』
凜の言葉を胸に。
彼等はいつも、近くの空地で遊んでいる。
僕はそこへ向かい、堂々と彼等の正面に立った。
「何や、弱虫暁ぁ」
「何の用や」
ニヤニヤ笑う顔なんて、今は全く気にならなかった。


