あかつき




「弱い者虐めなんて、格好悪いわよ」


僕と同じくらいの身長の、女の子だった。

それも、思わず見惚れてしまう程整った顔をしていて。

そんな子に言われたものだから、僕を虐めていた彼等は逃げていった。


「大丈夫?」


女の子は地面に座り込んでいた僕に手を差し延べる。

見惚れていた僕は、首を縦に振って手を取った。


「……ありがとうございます」


蚊の鳴くような声で言った僕に、女の子は柔らかい笑みを浮かべ、直ぐに真剣な表情になる。


「泣いたら負けよ」


余りに真っ直ぐな目で見られ、僕は吸い込まれるように見入った。

この子に、一体何があったのだろう。

自分の事よりも、彼女の過去が気になった。


「泣くのなら、強くなればいい」

「強く……?」


ぽつりと呟いた僕に、彼女は少し微笑む。


「そうよ」


その笑顔は、すごく綺麗だった。