「なんなのよ、もうっ。」



その謎の郵便物にさんざん毒づいてから、せっかく送ってきてくれてんだからと、資料を読み始める。




「バベシア病…か。」



資料によると、バベシア病とは、ダニを介して原虫が血液に入ることで貧血を起こし、ひどい場合は死に至る病気らしい。



症状は、食欲不振やふらつきなど。



治療方法は、検査で寄生虫が発見された場合は、貧血に対する補助治療と合わせて薬物治療、か。



早めの処置が命…だな。




明日のために、もう少し寝ておこうかな。



その、数時間後。


インターホンの音でなんとか目覚めた。



「誰?」



「奈留?寝すぎ。俺だって。」




「雅志か…ビックリした。」



まだ眠い身体を引きずって玄関に向かう。



「おかえり。」



「ただいま。」



これで目が覚めるでしょ?といわんばかりの、深いキス。




「もう…///」



「今日、早く寝ろ?まだ疲れてるんだろ。」



「分かってる。」



「先、風呂入ってくれば?夕食はオレが作っておくよ。」



「ありがと。」



お言葉に甘えて、先にゆっくり温まることにした。