「うっそ!マジすか?じゃあオレがユキさんちの近所の高台の高級マンションに住んでセレブな夫婦になることも、この会社にいる限り無理ってことですか?やっべ、どーしよ」
・・・ちなみにそのマンションは一番安い部屋で、管理費諸々を入れて月75万ほどする。1000万位の年収で、住むバカはいない。
「やめるならはやい方がいいですよぉ。就職は何か際立ったスキルがない限りぃ、年いくほど履歴書すら見てもらえなくなりますから」
クスクスと笑いながら、エリカちゃん。
ほんと、案外しっかりしてる。これで仕事が今の3倍速くなれば『若くて可愛いだけのエリカちゃん』のレッテルは消えるのにネ。
「そうね、それとね安藤、得意先で話して恥かかないように言っとくケド、セレブ・・・セレブリティは、著名人・名士を表す言葉で、特別な権力や財力をもつ人間、もしくはそういったグループのリーダーや役職者。まあ今はもっと大雑把に使われているけど、簡単に言えば有名人ってことネ?アンタ感覚で言葉を覚えるクセがあるみたいだから、気をつけた方がイイ」
お茶を飲み干して、アタシ。
壁時計の針が射す数字は8時55分。そろそろ始業時間だ。
今日もパキパキ仕事をして、残業にならないようにして、電車が混み始める前に帰らなきゃ。


