「え?なーんだそうだったんですネ。ユキさんが年収1000万以上じゃなきゃイヤ!なのかと思いましたよぅ。でも、ま!あと何年後かにはスーパーでスペシャルなオレになって、それ位の年収ゲットするリーマンとして、ユキさんの隣にいるかもしれませんけどネ!!」
和訳の間違いについてはどうでもいいのか安藤。
何度も同じ鉄を踏むタイプとみた。
「えー、安藤さんすごぉい。ユキ姉の為に転職するんですかぁ?」
ちょこんと、安藤の後ろから顔を出すエリカちゃん。
エリカちゃんはアタシが思ってたよりずっと大人で・・・月曜日、アタシに対しても、安藤に対しても、まったく態度を変えることなく
『でも、案外本気だったんです・・・』
と、打ち明け、昼休み、お弁当を広げたあの公園で、アタシと2人きりの時に、少しだけ泣いた。
「なんで転職しなきゃならないの?ユキさんと逢えなくなるような真似、オレがする訳ないでしょ」
眉毛を下げて、ものすごくイヤそうな顔をする安藤。
「えー、だって、ねぇ、ユキ姉?エリ詳しくは知らないけどぉ」
「ええ、ウチの会社で1000万以上貰ってんのは、部長クラス以上。平均年齢50歳オーバーね」
エリカちゃんの問いかけに、笑顔で答えるアタシ。
こんなつまんない情報も、総務をやってた時に覚えてしまった。


