サクラドロップス


『イタダキマス』をして、まだあったかい肉まんをほおばっていると、なんだか妙にこそばゆい気持ちになった。

残業の差し入れがコーヒーとサンドイッチじゃなくて

肉まんっていうのが何とも素朴な安藤らしい。

「なんか肉まんなんて、ひさしぶりに食べたかも」

自分で淹れたお茶を飲みながら、なんとアタシは肉まんを完食してしまった。

・・・アタシの胃もいい加減よネ。


「ありがと安藤。美味しかった。ゴチソウサマ」

そう言ってから、安藤の真似をしてパンパンと手をたたいて見せる。

すると安藤は、ぱぁぁぁっと、子供みたいな笑顔を見せると、嬉しそうに

「やった!!今朝といい、今といい、今日はついてる!!ユキさんに喜んでもらえた!!多分」

と、言って、両手で小さくガッツポーズ。


・・・ほんとに、ね。

どうしたもんかしら。

アタシは、お昼にエリカちゃんと話したコトを頭の隅に置きつつ

けれど、だからといってそれに触れるのもいやらしい気がして、小さく溜息。


とりあえず人様の恋愛ごとより、目の前の残業、かな。