サクラドロップス


「いいえ!ユキさんがイヤなら直します。あ、お茶いただきまーす!弁当ゴチでした。めっちゃうまかったっす!」

パンパンと大袈裟に手を叩いてから、おいしそうにお茶を飲む安藤。

アタシは苦笑しながら(だってホントはツバサくんが作った料理だからさ)

「お粗末様でした」

と、言ってお弁当箱を受け取ると、変わりにシンクから肉まんを持ってきて。

「せっかくだから、一個いただくわネ。いい?」

と、言って、肉まんの入っている白い袋を上げてみせた。


すると安藤は目を細め眉を八の字に下げると、顔をクシャクシャにして笑って……

「あ!肉まんとアンまんとピザまんと桜餅まんがあるんで、どれでもユキさんが好きなので!ってか、全部いっちゃって下サイ」

と、言って・・・

なんと・・・

ウインクをしやがった。


「……安藤」

ツバサくんみたいな美少年じゃないと似合わないからヤメナサイ。

なんて、さすがに言えないアタシは、速やかに気を取り直すと。


「肉まんだけでイイわ」

と、言って安藤の隣、要は自分のデスクの椅子に座る。

別に食欲が戻った訳ではないのだけど、安藤の気持ちは汲ませてもらおう。