なんてことを、お線香をあげながら考えていたアタシ。


一夜明けて、アタシは午前中から実家に戻っている。

戻ってすぐにお墓参りをして、親戚にお茶を入れて

一息ついてから、仏壇にもお線香をあげていたところ。


仏間に飾られている『ツキ』の写真を見ると

・・・確かに、みんなが絶賛するのも解るほど、綺麗な顔をしている。

綺麗な綺麗な『ツキ』の顔は、アタシもすきだ。

けど、アタシの心はササクレているの。


「ホント、アタシより、アナタが生きてた方が良かったかもネ?」


つまらない厭味しか出てこない。ホント、何でアタシ『だけ』が生き残ってしまったんだろう。バランスが悪すぎる。


「ユキ姉、ひとまずみんな帰ったから、茶の間でゴハン食べちゃおうって、お母さんが」


妹のアユミに呼ばれて、アタシは『はいはい』と気の抜けた返事をして、茶の間へと向かった。