サクラドロップス


NOともYESとも言えないまま

アタシは歩き、安藤は黙ってあとをついてくる。

安藤に何も返せない自分が、少しだけ歯がゆかった。

けれどアタシのココロはツバサくんを求めてトクトクと痛み出し、安藤に優しい気持ちを向けられるだけの余裕がない。

痛む足を恨めしく思いながら、アタシは安藤に無言のまま改札を抜ける。

安藤も、何も言わずに改札を降りた。

そしてアタシは、もう一度電話をかけようとして携帯を持ち直しながら、ロータリーに続く10段ほどの階段をゆっくりと足元を確認しながら降りていく。

ここでまた転んだりしたら、洒落になんない。


1段、1段と階段を降りきり、携帯を耳にあてる。

すると

携帯ではない方向から

「ユーキさん、オカエリ!」

と、言う···



······ツバサくんの、声がした。