サクラドロップス


「ダメ・・・離して」

けれど、そう言った時に、ホロリと零れた涙は

もしかしたら、震える安藤の為だったかもしれない。


ゴメン・・・


ココロの中で呟くけど、決して声には出せない言葉。


「・・・そ、ですよね。オレなんかじゃ、ダメ、ですよね」


はは、と、小さく笑って

安藤はもう一度強くアタシを抱きしめると


「スミマセンでした。強引な真似して。反省します」


と、言って、いつもの安藤の調子に戻り、アタシの肩と腰に腕を回すと

抱えるようにしてアタシのことを立たせてくれた。

「安藤・・・」

ゴメンが、言えないアタシ。

「やっべ。駅員がコッチ睨んでるし。オレ酔っ払いと間違われてます??」

焦って、おどけた顔をして見せる安藤。


・・・ゴメン。ありがとう。

優しく出来ないアタシなんかより、もっと可愛いオンナノコがアナタには似合ってる。

「信用ないかもしれないケド、ホントに、マンションまで送らせて下さい。本気で、ユキさんのコトが心配なんです」

アタシの背中を軽く支えながら、安藤。

アタシはココロの中が申し訳ない気持ちでいっぱいになり、上手い言葉が出てこない。