サクラドロップス


「やだ・・・離して」

ゴツゴツした、安藤の腕。

繊細なツバサくんとは違う、凶暴なほどに強引な、安藤の腕。

「イヤです」

「やだ・・・離して!離してってば!」

安藤の腕を叩いて、アタシは身体を捩らせる。

なのに、アタシが抵抗すればするほど、安藤の腕の力は強くなる。

「ユキさん・・・もうやめて下さい。見ていられない」

背後からアタシを抱きしめた安藤の腕は、アタシを捕まえたまま、小刻みに震えていた。

「どうして、どうしてそんなに頑張らなきゃイケナイんですか?いつもいつも、この細い肩にすべての責任を背負い込んで・・・オレの胸が、つぶれそうです」

「・・・やだ。離して・・・」

「イヤです。ユキさん、ユキさん、もういい加減かわすのもやめて下さい。アナタが、本気ですきなんです」

「・・・そんなの・・・!」

そんなことなら気付いてる。

でも、アタシが

アタシが、ほしいのは。

「アナタを、守るのは・・・」

「・・・・・・」

「オレじゃ、ダメですか?」

でも、アタシがほしいのは・・・

「・・・ダメ」


安藤の腕じゃない・・・・・・