そして、ジリジリとした時間が過ぎて、やっと駅についた時
アタシの足はココロの焦りにはついて行けず
急いで電車を降りた拍子に、ガクリと、膝から崩れた。
「ユキさん!大丈夫ですか??」
それまで口を開かなかった安藤がアタシに駆け寄り
アタシを抱き起こすべく、肩と腰に腕を回した。
ゴツゴツとした
ツバサくんとは違う腕。
「大丈夫!大丈夫だから、一人で立てる!」
足・・・なかなか動かない足。
どんなに急いでいても
走るコトの出来ない、アタシの足。
お願い、動いて
はやく、はやく。
けれど、願っても、祈っても
なかなか2本の足は、言うことを聞いては、くれなかった。
「どうして動かないのよぉ・・・」
もう、10年も経ったのに・・・
ヒールだって、上手に履きこなせるようになったのに・・・
アタシの瞳からは、ボロボロと、涙が溢れていた。
記憶の欠片がチクリチクリと足を刺し
身体のせいだけではなく
感情が邪魔をして、足が上手く動かない。
「ユキさん・・・」
「どうして・・・どうして・・・!」
アタシは、自分の足をガツガツと携帯で殴る。
役立たず、役立たず!
一番大事な時に動かないこんな足なんて
切り捨てて
ココロだけでも
ねぇ
ツバサくんのもとへ
飛んで、行かせてよ------
「ユキさん!もうヤメテ下さい!!」
「・・・・・・ッ?」
単線の、もう誰もいなくなったホームで
安藤は切なそうな声でそう告げると
崩れ落ちているアタシを引き寄せ、強く・・・抱きしめた。


