サクラドロップス


それから、ホームでも、電車の中でも

アタシも、安藤も

視線を合わせず、勿論言葉を交わすこともなかった。

アタシは窓の外、暗い景色の中に桜を探し、闇の中蒼白く浮き上がるその幻想的な姿に

何故か、ツバサくんの姿を重ねてしまい、また涙が溢れそうになった。

安藤がいなければ、わんわんと自由に泣けるのに。


涙を我慢するのは、思っていた以上にストレスだ。

アタシはツバサくんと逢ってから

たくさん笑うようにもなったけれど

その分、泣くことも多くなった。

悲しい時に涙を流して、抱きしめられる心地よさを思い出して

アタシはツバサくんの優しさに思う存分甘えていた。


ツバサくんは、いろんなコトで固く固くなっていたアタシのココロに

メスを入れて水をくれ、優しくあたたかい光をあたえてくれた。


そう、アタシは

枯れていたパキラと同じ、ツバサくんに、救われたのだ。