サクラドロップス


なのに・・・

「待って下さい、ユキさん!オレ、謝りに来たんです。今日のミス、オレの所属するチームが起こしたトラブルだったから」

と、言って、安藤は細い身体をエレベーターの中に滑り込ませ

その瞬間

鈍い音をたてて、エレベーターのドアは閉まった。


「別に安藤が謝るコトじゃないし」


アタシは安藤に背中を向けて、涙をぬぐうと、声だけは、普段の調子に戻して言った。

けれど安藤は・・・

「イエ、オレにも責任があります。本当に、ゴメンナサイ!ユキさんに迷惑かけて、申し訳ありませんでした」

と、言って、身体を90度に折り曲げて、アタシに、頭を下げた。


「・・・何、やってんの?アタシが会社の仕事するのは当たり前だし、安藤は、チームのミスで今まで取引先に頭下げて回ってたんでしょ?それだけのコトしたんだから、イイじゃない。アンタがアタシに頭下げるの、間違ってる」

安藤の顔は見ないまま・・・アタシはエレベーターのドアが開ききる前に、その空間から脱出した。