サクラドロップス


そして、会社から帰ると

いつものように美味しい夕飯を食べて

そのあと・・・


アタシはパキラに霧吹きで水をやるツバサくんの背中に寄りかかって、猫じゃらしでサクラの気をひいて遊んでいた。

アタシが枯らしたと思っていたパキラは休眠状態だったそうで

あの日ツバサくんに剪定された後

居場所を玄関からリビングに変えて、毎日大切に可愛がられている。

「パキラはあんまり寒いのは苦手だから、リビングから移動しないようにネ。土は渇き気味でいいから、時々こうして剪定部に霧吹きで水かけて・・・土日はベランダで直射日光に当ててやってほしいかな」

「・・・・・・」

「・・・ユキさん?聞いてる?」

聞いてない。

聞きたくない。

だってまるで、ツバサくんがいなくなった後の話みたいだ。

「サクラは紐のおもちゃが大好きネ」

ツバサくんの話は聞かなかったことにして、アタシはサクラに話しかける。

するとツバサくんは霧吹きを置いて、アタシの隣に座りなおすと・・

「でも実はボール状のモノの方がすきだったりして」

と、言って、霧吹きの下に敷いていたチラシを千切って丸めると

ヒョイとサクラの目の前を通過させるようにして、その紙で出来たボールを投げた。

するとサクラは

「みゃみゃみゃ、みゃあ!みゃあ、みゃ!!みゃ!」

と、短く鳴きながら、前足でボールを転がして全力で遊び始めた。