しかも……っっ。 ……かっ…彼女…。 「俺がお前のものであるならば…… お前も……俺のもん…だろ? な………、杏奈…」 彼のひんやりとした指が私の髪にそっと絡まってくる。 「………し…柊……」 私の全身が、彼の甘い呪縛に包まれていく。 ……幸せな感覚が広がる。 ………だけど、心の中のどこかから、微かに感じる違和感…。 何か…、何かが…違う。 こんなのって、どこかおかしい。 好きだと伝え合う訳でもなく…、ただうわべだけで囁く愛。 こんな始まりは、私が知っている恋愛の形の中にはない。