「…うん。だけど由依は何で私をあそこに行かせたの?
それにどうしてクラブの事を知ってるの?」

「うーん、…ちょっと、知り合いがいてさ。
杏奈は…少しお勉強した方がいいかなって思って」

「電話で頼まれたとか…言ってたよね。
どういう意味?」

由依はキョロリと空を見上げて答えを濁している。

「…まあ、いいじゃない。
杏奈はせっかくだから楽しんで色々教えてもらいなよ。

………彼に」

由依の代わりに答えた光太が指差す方を見る。

校門の横に人だかり。

………あ。

いた。