杏奈の家族はいつも温かくて、心地よく俺を受け入れてくれる。 結城の家にも迎えるヤツはいるけど、みんなどこかよそよそしくて味気ない。 俺は出かける前に見た使用人達の顔を思い浮かべながら思った。 「杏奈」 いつものベンチに腰掛けている彼女の小さな背中を見つけて声をかける。 「柊!」 俺の姿を見ると彼女は立ち上がり、こちらに向かって駆け寄って来る。 フワリと俺の胸に飛び付いてくる小さな身体を抱き止める。