「くそ!あと一時間しかない」

慌てふためく俺の横で執事の工藤は涼しげに部屋のカーテンを開けている。

「車!車、出して」

「…かしこまりました。
夕食はいかがなされますか」

「いらん!杏奈の家で食って来る」

「左様でございますか。
では、お車の手配を致します」

シャツのボタンを留めながら部屋を飛び出す。

マジで…遅れるかもな。ヤバい。