コンコン。
部屋をノックする音。
「杏奈?お茶とお菓子、ここに置いていくわよ」
…へ?
「ま…ママ!!変な気を使わないで。
入っていいから!!」
私がそう言うと柊は状況を飲み込んだのか、口に拳を当ててクククッと笑った。
「あら…、そう?いいのに…」
そう言ってママが部屋に入って来る。
「杏奈、ママ、もう二階には来ないから。
…お店から出ないからね」
お茶のトレイをテーブルに置いてママが言う。
「…ママ、何が言いたいの」
「だから、柊くんが帰るまでここには来ないわ、って」
「ママ!!もう分かったから行って!」


