「私さあ、男の子とこうして出かけるのって初めてなの。
私達って周りの人からは恋人だと思われてるのかな」

手を繋いだまま歩きながら彼女が呟く。

…そう、見えるだろ、普通。


「…なんてね。そんな風に見られる訳ないか。
私と柊とじゃ。
あり得ないね」

………。
何でだ。

俺じゃ不満か。どういう意味だ。


「原田くんとこうしてデートしてみたかった。
いつも想像してたの。
バカみたいでしょ」

「………」