――あの後、迎えのリムジンに嫌がる杏奈を無理矢理押し込めて俺達は学校を離れた。


初めはギャーギャー、「やっぱり戻る」だとか、「最低」だとか言っていた杏奈だったが、どこに行きたいか聞いてみると、杏奈は小さな声で
「動物園に行きたい…」と答えた。


あんなに俺を罵ってたくせに、俺が運転手に動物園へ向かう様に告げた途端パアッと顔が明るくなり、それからずっと小さな子供みたいにはしゃいでいる。