「何?今更心配してくれてんの?
だったら初めから頼むなよ。

俺の心配してる暇があったら自分の事を考えろ。
千尋は真面目だから、相手にハメられちまうぜ」

「何言ってんだ。うまくやってるよ」

「ふーん、ならいいけど。
よし、今日も気合い入れて相手してくっかぁ」


そう言って軽く伸びてから彼は教室のドアに向かって歩き出した。

俺は再び窓の外の杏奈ちゃんを見て思っていた。


君なら…、君なら柊の心の隙間を埋められるかも知れない。

いつか、いつかきっとそうして欲しい。


柊は大切な友達だから。